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今夏、デビュー10周年を迎えたaiko。アルバム『秘密』を携え5月から全国を回ってきた“Love Like Pop vol.11”がついに終了しました。記念すべき年に行われた今回のツアーで、彼女はどんな姿を見せ、どんな世界を会場に作り出したのでしょうか? 最終日となった7月31日、大阪フェスティバルホールの模様をレポートします。
ステージ上にその姿が現れた瞬間、その歌声が空気をふるわせた瞬間、会場は鮮やかなaiko色に染まる――。7月31日、大阪フェスティバルホール。全国ツアー“Love Like Pop vol.11”、最終日。この日もまた、ライブ開始早々からaikoらしい、aikoにしか生み出しえないめくるめく世界が満員のオーディエンスたちを心地よく包み込んだ。 序盤。まさに季節感バッチリな「花火」を元気いっぱいに届けるaiko。下手へピューっと走っていったかと思えば、そこから最前列の観客一人ひとりの手にタッチしながら上手へと猛ダッシュ。サビでは全員の手が大きく、美しく左右に揺れた。夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろしたら、もしかしたらこんな光景なのかも……なんてことをこっそり思う。続く「横顔」では、とびきりの笑顔を会場のすみずみにまで振りまきながら、柔らかな歌声を響かせる。その笑顔はすぐに伝染し、周りを見わたせば無数の笑顔の花が咲いていた。アーティストと観客が楽曲を通して同じ気持ちを共有し、それを素直に放出できてしまう、そんな空気感を持ったaikoのライブは本当に魅力的だ。 「魔法の瞬間をみんなと過ごしたいと思います。いっぱいいっぱいしゃべろーね」 と、最初のMCで約束していたように、曲の合い間に観客たちとたくさんの会話をしてしまうのもaikoライブのお約束。「おかえり〜」の声に「ただいま〜」と応えることから始まって、様々な問いかけにまるで友達のように温かい言葉をしっかりと返す。せり出した2階席に向けて「怖くない?」と優しい言葉をかけてみたり、弾き語りコーナーでは急遽トイレ・タイムを設け、「aikoはトイレ行けへんもん。イチゴしか食べへんし(笑)」と笑いをとってみたり。そんな予定調和ではないMCの数々もまたかけがえのない時間なのだ。 また今回のライブでは、アルバム『秘密』の曲をメインとしつつ、懐かしいナンバーやライブで久々に歌われる曲などが絶妙な配置で並べられていたのも印象的。ステージがピンクに染まった「桃色」や、「この場所で歌えることをうれしく思います」と言い、弾き語りで歌われた「ボブ」、そしてメドレーの中に織り交ぜられていた「猫」(実はライブで歌われるのは初めて)、「恋ひ明かす」(ライブで歌われるのは2度目)が、様々な感情をともなって届けられた。持ち曲が増えれば増えるほどライブの選曲に頭を悩ませるのはキャリアのあるアーティストにとって避けては通れない試練だとは思うが、aikoは自らの生み出した愛すべき曲たちを決して過去のものとせずに、時折ライブで披露することで歌い継いでいくことを忘れない。もちろん僕たちの心にもaikoの全楽曲がいつでも出動準備OKの状態で染み込んでいる。だからこそ、aikoの歌声に合わせて、観客全員が口を動かしている……しっかり歌っているという素晴らしく感動的な光景が生まれるのだと思う。 「花風」「彼の落書き」「恋愛」「ジェット」という怒涛の盛り上がりナンバーでラストを迎えた本編。アンコールでは、ちょっぴりアダルトに、この日だけのスペシャル・バージョンで披露された「れんげ畑」と、最新シングル「KissHug」を。さらにWアンコールでは「シアワセ」と「約束」を歌い、約3時間ものライブは終了した。ステージを下りる直前、感極まって涙ぐむaikoを見て、胸の奥がジーンと熱くなった。aikoと過ごした魔法の瞬間に、観客たちは大きな拍手を贈り続けていた。 デビュー10周年を迎える記念すべき年に開催された本ツアーは、まさにaikoがこれまでに手にしてきた成長と魅力を十二分に詰め込んだ最高の内容だったように思う。だが、ここは本人にとってあくまでも通過点でしかないのだろう。この日のオープニングでaikoは真っ白い巨大なドームの中から現れた。まるで巨大なタマゴから生まれるような演出は、10周年を迎えた今、ここからがまた始まりであるという決意表明ではなかったのだろうか。その真意はわからないが、aikoがこの先も魔法の瞬間を僕らに届け続けてくれることは間違いないはずだ。 文:もりひでゆき
“Love Like Pop vol.11” 2008.5.1@川口リリア・メインホール 2008.5.3@アルファあなぶきホール 2008.5.7@ウェルシティ札幌 2008.5.9@釧路市民文化会館 2008.5.13@宇都宮市文化会館 2008.5.16@静岡市民文化会館・大ホール 2008.5.21・22@NHKホール 2008.5.28・29@大阪フェスティバルホール 2008.6.2@ウェルシティ広島 2008.6.8@福岡サンパレス 2008.6.12・13@大阪フェスティバルホール 2008.6.18・19@中京大学文化市民会館・オーロラホール 2008.6.25・26@NHKホール 2008.7.1@長崎ブリックホール 2008.7.3@宮崎市民文化ホール 2008.7.8@仙台サンプラザホール 2008.7.10@青森市文化会館 2008.7.13@神戸国際会館こくさいホール 2008.7.21@沖縄コンベンション劇場 2008.7.31@大阪フェスティバルホール >>レポート
[2008.7.31@大阪フェスティバルホール] 1. You & Me both 2. 二人 3. 花火 4. 横顔 5. 星電話 6. 恋道 7. ウミウサギ 8. 桃色 9. 秘密 10.寒いね... 11.ボブ 12.学校メドレー(女の子はいつも切ないメドレー) 学校〜風招き〜あなたの唄〜キラキラ〜カブトムシ〜どろぼう〜猫〜恋ひ明かす〜前ならえ〜ボーイフレンド〜学校 13.花風 14.彼の落書き 15.恋愛 16.ジェット 〜ENCORE〜 1. れんげ畑 2. KissHug 〜ENCORE 2〜 1. シアワセ 2. 約束
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